基調講演 Keynote speech

基調講演1

講演タイトル
AIとヒューマニティの共演
相川 孝子
(Massachusetts Institute of Technology)


講演概要

AIの教育的利点の一つに「学習の個別化(Personalized Learning)」がある。学習者は自らのペースでAIと共に学習を進めることが可能になると言われているが、現在の言語教育のモデルの中で、この「学習の個別化」が可能であろうか。また、こうしたAIの利点を活かす言語教育モデルを作るために、語学教師は、何をしていかなければいけないのか。本講演では、「AIとヒューマニティの共演」というタイトルのもと、AIと人間の特性を踏まえながら両者の協働性を探る新たな語学学習の形を考えてみたい。


略歴 / BIO

米国、マサチューセッツ工科大学、Global Languages学科、Sr. Lecturer。専門は日本語言語学、日本語教育学。テクノロジーの言語教育における役割とインパクトを主な研究課題とし、Virtual Reality、Mixed Realityの研究、また、最近では、AI時代における言語教育のあり方についての研究を主に行う。津田塾大学英語学部卒、オハイオ州立大学日本語言語学Ph.D.取得。マサチューセッツ工科大学就任前は、マイクロソフト基礎研究所にて機械翻訳の仕事に携わる。麗澤大学客員教授。

基調講演2

講演タイトル
AI時代の学習者英語研究
―テキストを変えるAI、テキストを測るAI―
村上 明
(Birmingham University)


講演概要

本講演では、AI時代における英語学習者コーパス研究の課題と可能性について考察する。生成AIは学習者の英文を修正することで、従来の学習者コーパス研究が前提としてきた「学習者のテキスト」の解釈を揺るがしている。一方で、大規模言語モデルは、文脈における語の予測可能性を利用して、語彙使用の自然性を新たに測定する道具にもなりうる。本講演では、「AIによって改変されるデータ」と「AIを用いて測るデータ」という二つの観点から、今後の学習者言語研究の方向性を論じる。


略歴 / BIO

バーミンガム大学言語学・コミュニケーション学科准教授。コーパス研究センター長も務める。ケンブリッジ大学でPhDを取得後、バーミンガム大学、チュービンゲン大学、ケンブリッジ大学で博士研究員を務め、現職。専門は第二言語習得、コーパス言語学、計量的分析手法。現在、Language Learning誌のAssociate Editorを務める。さらに、Studies in Second Language Acquisition、International Journal of Learner Corpus Research、Applied Corpus Linguisticsの各誌で編集委員を務めている。


シンポジウム Symposium

シンポジウムテーマ
AI活用外国語教育の未来予想図
全体概要

 生成AIの急速な発展は、外国語教育に大きな変革をもたらしている。教材作成や学習支援、評価などへの活用が急速に広がる一方で、「AIで何ができるか」という技術的可能性のみならず、「外国語教育の中で、AIをどのような教育理念・教育原理のもとに位置づけるべきか」「指導・評価にどのように統合していくべきか」といった、より本質的な問いへの検討が求められている。生成AIを教育に活用する実践は着実に蓄積されつつあるが、その教育的価値や効果をどのように評価し、持続可能な教育実践として発展させていくかについては、なお多角的な議論が必要である。
 本シンポジウムでは、生成AIを活用した外国語教育のこれまでの成果と課題を整理するとともに、AI時代における外国語教育のインストラクションをどのように再構築していくべきかについて、多面的な視点から議論する。まず、鈴木駿吾先生には、生成AI時代の外国語教育を俯瞰し、AIを教育の中に位置づけるための基本的な理念や考え方、今後の外国語教育が目指すべき方向性についてご講演いただく。続いて、峯松信明先生には、AI工学の進展を基盤とした英語教育実践をご紹介いただき、授業設計や学習支援においてAIを効果的に活用するための具体的な方法と、その教育的意義についてご講演いただく。さらに、常本亜希先生には、実際のクラスルームにおける実践事例をもとに、授業運営上の工夫や学習者支援、導入時の課題、そして今後の教育実践に向けた展望についてご講演いただく。
 3名の講演を通して、生成AIを単なる教育ツールとして捉えるのではなく、外国語教育におけるインストラクションを再構築する契機として位置づけ、その可能性と限界を理論と実践の双方から検討する。そして、AIと教師、AIと学習者の新たな関係性を踏まえながら、AI時代の外国語教育におけるインストラクションの新たな展望について参加者とともに考え、今後の教育研究と教育実践の方向性を展望する機会としたい。本シンポジウムが、研究者のみならず、外国語教育の実践に携わる教員にとっても、AI時代の教育を構想するための理論的視座と実践的示唆を得る場となることを期待している。

常本 亜希
(東北大学)

略歴 / BIO

専門分野
第二言語音声習得・指導・評価

プロフィール
東北大学大学院国際文化研究科准教授。同研究科附属言語脳認知総合科学研究センター兼任。北海道教育大学大学院教育学研究科およびUniversity College London, UCL Institute of Educationにて修士号を取得後、カナダ・モントリオールにあるConcordia Universityへ進学しPh.D.(Education)を取得。関西大学外国語学部助教を経て2025年より現職。中高一貫校で教鞭をとる中で、効果的な言語指導方法やパフォーマンスの評価方法をより専門的に学びたいと考えるようになり、現在は外国語の音声指導や評価、そして教員養成に関心がある。

峯松 信明
(東京大学)

略歴 / BIO

専門分野
音声科学・工学(2023年度から英語授業も担当)

プロフィール
東京大学大学院工学系研究科教授。1995年東京大学にて博士(工学)を取得。専門は音声科学・工学。外国語音声教育に関する技術支援に造詣が深い。これまで国内外の日本語教育機関,国内の英語教育機関にて音声教育の技術支援を遂行し,2023年度から東大工学部学生を対象とした「聴取力、発音力、会話力」を鍛えるオンデマンド授業を開講し、2026年度から始まった大学院EMI化に関しても教育・技術支援を行っている。ISCA (International Speech Communication Association) board member, 電子情報通信学会フェロー,音響学会理事、音声学会評議委員などを務める。2023年度LET論文賞受賞。

鈴木 駿吾
(名古屋大学)

略歴 / BIO

専門分野
第二言語スピーキング、言語アセスメント

プロフィール
名古屋大学大学院⼈⽂学研究科准教授。ランカスター大学言語学研究科・早稲田大学教育学研究科それぞれにて修士課程を修了後、ランカスター大学同研究科にてPh.D.(Linguistics)を取得。その後、早稲田大学にて、NEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」における、会話型自動スピーキングテストの開発プロジェクトに関わる。プロジェクトの事業化に伴い、2022年5月からプロジェクト終了まで研究代表者を務めた。専門は、第二言語発話産出のメカニズムやスピーキング能力評価。Annual Review of Applied Linguistics 2025年号のGuest Associate Editorを務め、現在は同誌Editorial boardのメンバーとして貢献。

常本 亜希
(東北大学)

略歴 / BIO

専門分野
第二言語音声習得・指導・評価

プロフィール
東北大学大学院国際文化研究科准教授。同研究科附属言語脳認知総合科学研究センター兼任。北海道教育大学大学院教育学研究科およびUniversity College London, UCL Institute of Educationにて修士号を取得後、カナダ・モントリオールにあるConcordia Universityへ進学しPh.D.(Education)を取得。関西大学外国語学部助教を経て2025年より現職。中高一貫校で教鞭をとる中で、効果的な言語指導方法やパフォーマンスの評価方法をより専門的に学びたいと考えるようになり、現在は外国語の音声指導や評価、そして教員養成に関心がある。

峯松 信明
(東京大学)

略歴 / BIO

専門分野
音声科学・工学(2023年度から英語授業も担当)

プロフィール
東京大学大学院工学系研究科教授。1995年東京大学にて博士(工学)を取得。専門は音声科学・工学。外国語音声教育に関する技術支援に造詣が深い。これまで国内外の日本語教育機関,国内の英語教育機関にて音声教育の技術支援を遂行し,2023年度から東大工学部学生を対象とした「聴取力、発音力、会話力」を鍛えるオンデマンド授業を開講し、2026年度から始まった大学院EMI化に関しても教育・技術支援を行っている。ISCA (International Speech Communication Association) board member, 電子情報通信学会フェロー,音響学会理事、音声学会評議委員などを務める。2023年度LET論文賞受賞。

鈴木 駿吾
(名古屋大学)

略歴 / BIO

専門分野
第二言語スピーキング、言語アセスメント

プロフィール
名古屋大学大学院⼈⽂学研究科准教授。ランカスター大学言語学研究科・早稲田大学教育学研究科それぞれにて修士課程を修了後、ランカスター大学同研究科にてPh.D.(Linguistics)を取得。その後、早稲田大学にて、NEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」における、会話型自動スピーキングテストの開発プロジェクトに関わる。プロジェクトの事業化に伴い、2022年5月からプロジェクト終了まで研究代表者を務めた。専門は、第二言語発話産出のメカニズムやスピーキング能力評価。Annual Review of Applied Linguistics 2025年号のGuest Associate Editorを務め、現在は同誌Editorial boardのメンバーとして貢献。

公募シンポジウム Proposed Symposia

公募シンポジウム1

小中高の連続性を生む概念でつながる英語概念型指導

提案者

溝畑 保之 (桃山学院大学)
今井 麻紀 (東京学芸大学附属世田谷小学校)
中田 未来 (大阪教育大学附属池田中学校)
福島 伸典 (大阪府立門真なみはや高等学校)

公募シンポジウム2

AI活用外国語教育の未来:GrammarΧivを使って,理論言語学と教育をつなぐ

提案者

川原 功司 (名古屋外国語大学)
成田 広樹 (東海大学)
水谷 謙太 (愛知県立大学)
亘理 陽一 (北海道大学)

公募シンポジウム3

国語 × 英語:「連携」授業のつくり方

提案者

柾木 貴之 (北海学園大学)
大井 和彦 (信州大学)
對馬 光揮 (市立札幌藻岩高等学校)
石井 明子 (東京都立新宿高等学校)
那須 充英 (奈良女子大学附属中等教育学校)
三浦 永理 (ロンドン大学)



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