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No. 3 支部企画:関西支部 (2005年03月10日)

カテゴリー: General
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関西支部 研究部会紹介
名部井敏代 (関西大学)・佐々木顕彦(関西学院中学部)
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関西支部には6つの研究部会があり、それぞれ活発な活動を展開しています。関
西支部の研究部会が元気な様子は、ホームページ更新情報に掲載される勉強会・
研修会の多さでもお分かりいただけるかと思います。今回はこの場をお借りして、
各研究部会をご紹介いたします。

「マルチメディア・インターネット部会」
最新の教育機器に関する情報交換や、その利用法に関する講演、実証研究の発表
などを行っています。取り扱う範囲は、従来のAV機器を活用した教授法とその評
価から、外国語教育のためのマルチメディア教材開発、ネットワークの利用まで
を含みます。校種や語種を問わず、外国語教育工学に関心のある方々の積極的な
参加があります。2月19日の研究会では、マルチメディア教材開発報告を含む3
つの教材開発・運用に関する報告がありました。

「早期英語教育研究部会」
特定の言語理論や発達理論に固執することなく、また必要に応じて、母語教育も
考慮に入れながら、早期英語教育に関わる様々な問題や早期英語教育の是非につ
いて自由に議論しています。2004年度の部会ではThe Primary English
Teacher's Guide (Penguin)を輪読しています。今後、早期英語教育に関する内
外の文献紹介やワーキンググループによる独自の調査・研究を行ったり、小学校
教諭を対象としたセミナー等の開催を通じて、意見交換、研修、並びに情報提供
を行う予定です。

「大学授業研究部会」
この研究部会は、例えばLanguage for Specific Purposesの授業やITの活用、入
学試験や中高連携などの制度のあり方など、大学における外国語教育に関する研
究や情報交換の場となっています。2004年度からは、若手勉強会と称して原則偶
数月の最初の土曜日にカジュアルな勉強会もスタートしました。現在は教育・研
究のためのフリーの音声分析ソフト(e.g., WaveSurfer、Praat)の取扱いを勉
強しています。さらに最近ではこれらソフトを使って言語リズムの類型を再考し
てみようと、ドイツ語と英語のリズム分析を開始しました。また、ソフトの利用
を進めるためマニュアルを作成しようというアイデアも出てきています。

「英語の発音教育研究部会」
英語音声学に基盤を置き、発音指導に関心のある英語指導者が集まって、発音教
育に関する研究を行っています。参加者は幼児教育・小学校から大学までのあら
ゆる校種で英語指導に携わっている人たちです。研究テーマは、発音指導から
oral interpretationなどの応用分野に至るまで幅広く設定していますが、2004
年度から「英語の発音指導書作成プロジェクト」に取り組んでいます。小中学校
での導入法と大学生・成人の矯正指導法の両側面を扱い、同時に日本人の英語発
音(特に分節音)の問題点について、実験を通して明らかにしようとしています。

「中学高校授業研究部会」
中学と高校の英語授業の改善を目指して、理論と実践の両面から研究を進めてい
ます。授業改善に役立つ研究論文の輪読と討論、実践報告、ワークショップ、授
業や教材研究や自己研修に役立つソフトウエアの紹介、ビデオによる授業研究、
講演などを中心に、年8回第2土曜日または日曜日の午後に例会を開催しています。
春と夏には、会員外の中学や高校の先生方も参加できるセミナーを開催していま
す。ちなみに、3月19・20日の英語教育セミナーでは「スローラーナーとの学び」
がテーマです。

「基礎理論研究部会」
テクニック、メソッド、アプローチという外国語教育に関わる3分野のうち、最
も基礎的なアプローチの部分を、心理言語学や認知科学などの関連諸領域を踏ま
え、学問的・実証的にとらえていこうとするのが一貫した目標です。1994年12月
より、2ケ月に1~2回の割合で、文献の輪読および研究発表を中心とした例会を
開催しています。最近では、「第二言語メンタルレキシコン」といった共同研究
プロジェクトを推進し、国内外の学会やジャーナルに発表するなどの成果をおさ
めています。2004年度からは「第5次」に入り、言語産出(language production)
をテーマに研究活動(文献輪読および研究発表など)を行っています。

これからも関西支部の研究部会は、それぞれのプロジェクト遂行、意見・情報交
換、研修活動に励みます。今後、LET学会紀要や他ジャーナル、またLET学会にて、
これら部会の研究成果が発表される機会があるはずです。どうぞご期待ください。

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