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No. 12 支部企画:中部支部 (2008年10月10日)

カテゴリー: General
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★支部企画コーナー No. 12 中部支部
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☆支部長インタビュー
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小学校英語教育研究部会の部会長の高橋美由紀先生に中部支部長の柳が
インタビューしました。

(1)小学校英語教育部会の趣旨などを教えて下さい。

小学校英語教育とそれに関わるいろいろな話題を扱っています。ここ数年は
小学校英語教育に注目が集まり、特に必修化されるのかどうかとか、誰が教え
るのか、どうやって教えるのかなど、時流に乗っているかのような感じがあります
が、実際には小学校英語教育について基礎となるような理論的な研究や、実践
面でも幅広い実践をこつこつ拾っていくようなことをやっています。

(2)対象としているのはどういう人たちですか?

対象は、もちろん、小学校英語教育に理論的実践的に関心がある人たち、
また実際に小学校英語教育に関わっていている人たちです。それから小学校
英語を研究している大学院生もいます。小学校英語教育に、本当は興味が
ないのに時代の趨勢だからという理由だけで研究している人たちを見ると悲し
くなります。この研究部会は、本当に小学校英語教育が好きな人たちの集まり
です。

(3)設立のきっかけとかありますか?

1995年に学生たちと一緒に小学校英語教育の勉強会のようなものをやってい
ました。結構長く続いていたのですが、LET中部支部で研究部会をいくつか起ち
上げることになって、その時にそれまでやってきた研究会をそのままこの研究
部会に移行させました。

(4)途中で会場を移していますよね。

人が集まりやすい場所に移って、より幅広い人たちに来てもらいたかったから
です。名古屋市の中心部に中日ビルがありますが、その中にある名古屋学院
大学のさかえサテライトで長く開催していました。今年からは名古屋学院大学の
名古屋キャンパスを主な会場にして開催しています。兵庫教育大学に勤務して
いたときにも名古屋に帰って開催していました。

(5)何しろ回数を多く重ねていらっしゃいますが、これだけの回数を続けるコツは何
でしょうか?他の研究部会の運営に参考になるかもしれませんので教えて下さい。

そうですね。13年間も続けていますし、先日の9月21日の例会が第44回でした
から、回数では誰にも負けていないでしょうね。続けてきたことに、特別なコツの
ようなものはないと思いますが、毎回の会の最後に次の日程を必ず決めておく
ことと、それと同時に次の内容まで決めてしまうことでしょうか。幸い積極的に
発表者が名乗りを挙げてくれています。もちろん、小学校英語教育というテーマが、
脚光を浴びてくる時期と重なってきましたので、話題が尽きなかったということも
あるでしょう。でも、そうであったとしても「私がやらなかったら誰がやるんだ」と
いう意気込みも、今となっては大切だったと思います。小学校英語教育に光が
当たらない時から、こつこつと毎回次回の予定を決めて続けてきました。

(6)最近の例会の内容はどのようなものでしょうか?

いよいよ『学習指導要領』も発表されて、本当に小学校で英語教育が必修化され
ます。それにともなって、来年度から文部科学省が制作した『英語ノート』が5年生
と6年生の全員に配布されることになります。これは文部科学省が小学校で英語
教育を必修化するのに必要だと言った「共通教材」にあたるものです。ところが、
実際には、共通教材が配布されたとしても、具体的にどうやって年間35時間の
授業をこなしていけばいいのかについては、現場の先生方をはじめとして、まだ
まだ不安がいっぱいです。

最近の例会ではこのような現状を反映して、『英語ノート』に関する研究発表や
報告が多いですね。たぶんこれからしばらくはこのような状態が続くと思います。
ただ、現場の問題に直接の何らかの答えを提供するということも大切なのですが、
一方では理論面での地道な勉強も必要だと考えていて、毎回の例会では出来る
だけ小学校英語教育に関する基本文献を紹介するようにしています。

(7)理論と実践の両面から話題を提供しているわけですね。ちなみに、最近は
文献としては何を扱っているのですか?

今はPinterのTeaching Young Language Learners(Oxford University Press)を
少しずつ読んでいます。毎回一章ずつとか、それよりも少ないこともありますけど、
無理をせず「少しずつ」というあたりが続けるコツなのかもしれません。

(8)小学校英語教育はこれから発展が期待されますが、この研究部会はそれに
どのような貢献ができるとお考えでしょうか?

小学校英語教育が必修化されるという、本当に激動の時期ですので、ひとまず
それに対応できるような情報を提供することが一番の仕事だと思います。その
中で、明日の授業の内容を提案することと同時に、先生方が自分で明日の授業を
組み立てられるような理論的な枠組みとか、考え方のようなものをじっくりと提供し
ていきたいですね。

(9)これからの抱負などをお聞かせ下さい。

おそらく小学校英語教育は、日本の小中高大の英語教育の全体像を根本から
変えていくきっかけになると思います。今までの「英語の勉強」という先入観という
か、みんながあたりまえに考えていたことをひっくり返すのではないかと思っている
わけです。例えば、現在小学校英語教育のなかで使われているゲームとか歌とか、
そういった活動は「小学生向け」と考えられているのですが、高校生とか大学生の
授業でも少し手を加えれば使えるという報告があります。「お勉強」として考えられ
ていた英語学習が、小学校英語教育の導入によって、本来のコミュニケーション
活動を反映した、学習者の動機づけを高める学習に変化しているのだと思います。

報告者: 柳 善和 (名古屋学院大学)

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