::     
Home > General > No. 15 支部企画:関東支部


No. 15 支部企画:関東支部 (2009年01月10日)

カテゴリー: General
□■==================
★支部企画コーナー No. 15 関東支部
==================□■
=========
☆特別研修会紹介
=========

―非学会員も無料で参加できる―
関東支部の特別研修会

特別研修会担当: 宇佐美 昇三 (日本大学)

早いもので、LET関東支部に「特別研修会」が設けられて、早くも10年に
なる。初めは「定例研究会」という名前だった。1998年5月9日、東洋女子
短期大学で永野重史・元国立教育研究所次長に「学習環境の変化とは
何か」というテーマで講演していただいた。おりしも関東支部の研究テーマ
が「学習環境」であり、専門家について勉強しようという企画だった。
國吉丈夫支部長のときである。そこで、その歩みと、企画運営の方法を
記しておき、ご参考に供したい。

1:英語関係とは限らない講師たち

「特別研修会」は、①さまざまな分野の方々から意見を求め、学会員が、
英語教育以外の見識を高める、②学会の存在を外部に知らせる、③新
会員の募集に役立てる、などの目的で計画された。

そこで、途中、休止期間や名称変更はあったが、ほぼ隔月、運営委員会
直前、1時間余を使い、参加費無料、学会以外のどなたでも参加可という
講演会を開いた。LETのサイトで関東支部の「特別研修会のお知らせ」を
見ていただくと、過去の講師と演題を見ることができる。

これまでの講演者は4とおりに大きくわけられよう。

① 英語を使って仕事をされた各界の人、例えば「国際協力事業団=
JICA」の海外青年協力隊担当者や客船船長、国際的なドキュメンタリー
番組作家、ゲームソフト開発者、空想科学小説翻訳者、開発途上国の
ワークショップ実践者などに異文化コミュニケーションの経験を聞き、
指導のヒントを得る。

② 「多言語主義」の潮流、大学授業の問題点、授業環境の変化、「映像
心理学」「技術科教育」の情報や考え方から、教員に必要な知識、技能を
得る。

③ メディア送り手に聞く:イベントの企画提案の仕方、教育番組ソフト開発
の過程、メディア教材の著作権問題で、教材を制作し、利用する際の理解
を深める。

④ 歴代LET会長が今日、考えておられることからLETの歴史、今後の
あり方を知る。

2:捕り物帖を用意

企画にあたり、初めは、どうしても英語を絡めることを意識した。だが、
英語以外の世界の話が興味深いという強い反応も得られた。

研修会は、運営委員会の直前、早めに参加できる委員が中心で小人数、
1時間余りのミニ講演会であった。謝礼もミニなので、講師はボランティア
でもいい、という知人から選んだ。

私には、新聞記事などで、関心を引かれた人物を『捕物帖』というノートに
記録しておく習慣があった。その「捕り物帖」は直接には放送番組の制作
者として役立ったが、その後も、関心を引かれた人に葉書を書いたり、
面会したりすることがある。すると、本命の情報以外に、その人の交際
範囲や趣味から思いがけない情報がえられた。研究大会で学会外のシン
ポジウム講師を探すとき、特別研修会の講師経験者の中から、お願い
したこともあった。書物で知っているだけの人よりも、話を聞いたことの
ある人のほうが、当然、シンポジウムの企画がたてやすい。

未知の人に会うのは、放送局員時代よりも、教員になってからのほうが
容易である。一見、反対のようだが、番組企画が背後にあると、個人的
興味のままには会えない。しかし、教育活動であれば、政財界の要人は
ともかく、どなたでも応じてくださる。あとで「あの番組企画は、どうなりま
したか」と出演候補者や上司から尋ねられることもなく、自由である。

3.全集はページをめくってゆけ

講演候補者の情報は事前に充分調べておくことだ。作家の出演交渉で
は、その人の全集を読まないでも、とにかくページをめくって全部、眼を
通しておけといわれた。

講演候補者の自宅を訪問するときは、近所の社寺、公園など下見してお
くと、話の接ぎ穂が得られる。

都心であれば、有名な書店、ホテルのロビーなど、喫茶店で逢うなら、静
かなところ、地理や電話番号、会い損なったときの連絡方法を決めておく。
相手の話を聞くことに力点を置き、自分側の話は必要最小限に。所属す
る学会や会合の説明資料は持参する。前の会合の模様の写真を見せる
と、候補者には、聴衆の構成、服装、雰囲気が伝わって安心していただけ
る。

当日、講演前は、講師は不安なので、早めに喫茶店などであって、会場
にお連れする。終ったあと、講師はカラッポの気持ちなので反響などを
話す。ここでまた、当日のリアクションと講師自身の感想から、次の講演
候補者が浮上することがある。

お礼状は葉書でも、メールでもすぐに出す。もし、質問や感想文集が
聴衆から得られれば送る。以上のすすめ方は、実際はなかなか、そうは
行かないものの、基本的な心がけである。

たまに、よその講演に招かれることもあるが、案外、企画運営者にノー
ハウが欠けていて、悲しく思うことがある。だんだん人間を物だとおもう
風が教育界にも吹いているのではないか。心配である。

コメントを書く

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。