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No. 22 山内 豊(関東支部) (2006年10月10日)

カテゴリー: General
「CALLやe-learningなどの開発における量と質」

東京国際大学の山内 豊です。この9月中旬に、International Conference of Spoken Language Processing(ICSLP)という国際学会が、米国ペンシルバニア州のピッツバーグで開かれました。私は、グリフィス大学と東大と東京国際大学との共同研究で開発した自動音声認識技術を使ったダイアログ型のCALL学習システムを発表しました。多くの参加者を得て、おかげさまで好評のうちに無事に終了しました。ICSLPは隔年開催で、次回は2008年9月22日から26日に、ゴールドコーストという広大なビーチで有名な豪州ブリスベンで開催されます。(http://www.interspeech2008.org/)。クイーンズランド大学、グリフィス大学、クイーンズランド工科大学がブリスベンの3大大学といわれています。

今回の国際音声言語処理学会の主催団体のメインの1つが地元のカーネギーメロン大学でした。この大学は、富豪カーネギー氏とメロン氏によって創設され、現在ではコンピュータ科学や認知心理学などの分野で世界的に有名ですので、学会の合間に訪問してみました。ピッツバーグ市内から車で15分くらいの郊外にありました。ただ、隣接する州立のピッツバーグ大学がもつ広大なキャンパスや大伽藍のような建物や壮麗なチャペルに比べると、カーネギーメロン大学のキャンパスはこぢんまりとしていて、ちょっと驚きました。食事ができるキャフェテリアのある建物も1つしかありませんでした。その味は、まさにアメリカ的でした!!

翌日、国際学会の地元の参加者に、カーネギーメロン大学は世界的に有名だが、州立のピッツバーグ大学の壮大なキャンパスに驚いたと話したところ、「大学は規模ではなく質の高さで決まる。カーネギーメロンはこの分野で世界の五指に入る」と言われました。アメリカは物量が優先する国のように思われがちですが、国際会議に出てくる米国の研究者たちは、量より質を重視している人たちも多いことがわかりました。

私自身も、CALLやe-learning開発に携わっていますが、量だけを考えるのではなく、学習や習得のプロセスを明らかにできるような、本質に迫るシステムを作っていきたいという思いを強くしました。次回は、琉球大学で様々な視点から英語教育に取り組んでおられる東矢光代先生にご登場いただきます。

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