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No. 16 鈴木 敦典(九州・沖縄支部) (2006年04月10日)

カテゴリー: General
九州大学言語文化研究院の鈴木敦典です。満開の桜とともに今春も2700人の新入生を
迎えました。私自身も四半世紀前に学んだここ六本松地区で新入生を迎えるのは、来
年・再来年のあと2回のみ。平成20年秋にはキャンパス移転が決まっています。

九州大学言語文化研究院の鈴木敦典です。満開の桜とともに今春も2700人の新入生を
迎えました。私自身も四半世紀前に学んだここ六本松地区で新入生を迎えるのは、来
年・再来年のあと2回のみ。平成20年秋にはキャンパス移転が決まっています。

本年度から新カリキュラム導入ということで、英語では新入生全体を対象に、少人数
クラスでのアカデミック・ライティング授業と、大人数の(一人の教員が複数教室を
担当する)CALL授業とが開始されます。当面、文系学生は1年後期と2年前期の2学
期間、理系学生の多くはいずれか1学期間CALL授業を受講することになります(教材
はこのリレートークでも既に名前の挙がっている「ぎゅっとe」を使用)。英語以外
の初修外国語では共通のCALL教材を決めていませんけれど、授業支援システムとし
て、大阪大学細谷行輝教授を中心に開発が進められている「WebOCM」を多くのクラス
で用いる予定です。
新カリキュラム実施には既存のCALL教室3つ(計164ブース)だけでは足りないの
で、カセットテープの設備しかなかった旧式LL教室2つに計148ブースのCALLシステ
ムを追加整備することが決まり、本年後期からの稼動を目指し、急ピッチで準備を進
めているところです。PC教室整備は最小限にとどめ、学生所有のノートPCや自宅から
のアクセスを前提としたCALL授業を行う大学もあるようですが、同一環境を多くの学
生に提供できる点で、CALL教室整備には現時点でやはり大きな意義があると考えま
す。
特に英語では専任教員のほとんどがCALL授業を担当することになり、教師側にとって
は根本的意識改革を迫られる一大転機なのですが、物心ついた頃からパソコンを使っ
ている新入生諸君たちは、さほど違和感なく新しい授業のやり方に馴染んでくれるよ
うな気もしています。高校で情報科を学んだ初めての世代、当然その影響もあるで
しょう。
しかしその分、授業を受ける側にとって、コンピュータを使うことそれ自体はすぐ日
常化・陳腐化してしまう。学生を刺激し続けなくてはよい授業が成立しないとするな
らば、魅力的なコンテンツを盛り込むことはもちろんですが、結局、学習意欲をしっ
かり持続させる運用法を教師が常に追い求め、それを誠実に提供していく以外にない
のかなと思います。当面は他大学で開発された教材を用い、走りながら工夫する他あ
りませんけれど、その過程で、必ずや九大の実情に合った運用法や教材が編み出され
ていくものと信じています。
次は、ドイツ語情報処理学会でよくご一緒する慶應義塾大学の境一三(さかい かず
み)先生(関東支部)にバトンを渡します。ドイツ語教授法研究の第一人者で、先月
までNHKラジオ・ドイツ語講座の講師も務めておられた方です。

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